何ができるか——選ぶのは機能ではなく「写真か、AI生成画像か」
やることは拡大・ノイズ除去・鮮明化の3つです。特徴は機能数ではなく、処理をすべてローカルのPCで行う点にあります。ブラウザ経由の高画質化サービスと違い、素材を社外のサーバーに送らずに済みます。
操作は、画像を追加 → AIモデルを選ぶ → 出力解像度か倍率を指定 → 強度スライダーを調整 → 書き出し、という流れです(公式の操作ガイド)。倍率は x2 / x4 / x8、または 1K / 2K / 4K / 8K と任意解像度の指定ができます。
迷いやすいのはAIモデルの選択です。公式の料金ページが挙げているのは、画像の細部を強化するMore-Detail GAN v3、AI生成画像向けのAIGCsmooth v3、写真のノイズ除去と拡大に特化したReal-Photo v3、そして顔写真のレタッチモデルの4つ。操作ガイドはこれに加えて More-Detail GAN v2 と、アニメ・イラスト・線画向けの Smooth Diff v2 を載せています。素材が実写かAI生成かで選び分ける設計です。
出力の上限は幅または高さで 32,000ピクセル(32K、Windows版)、Mac版は16,000ピクセル(16K)。入力はHEIC・JPG・PNG・TIFF・WEBP・BMP・AVIF・RAWなど、出力はJPG・PNG(8bit/16bit)・TIFF・DNG・AVIF・HEICに対応します。
料金の実際——「23,000円」は見なくていい
プランは4つです。金額はいずれも公式の日本語料金ページに「税込価格」と明記されています。
| プラン | 価格(税込) | 使えるPC | 条件 |
|---|---|---|---|
| フリー | 0円 | 1ユーザー | クレジットカード登録不要。書き出しに制限あり |
| 年間プラン | 5,980円 | 3ユーザー | 12ヶ月分一括払い。365日後に自動更新・同額請求 |
| 永久ライセンス | 6,980円(通常7,880円) | 3ユーザー | 生涯利用可。アップデートは無料 |
| 3-in-1ソフトセット | 25,980円(26,980円) | 3ユーザー | 動画版・画像版・背景透過版の3本セット |
単体の「通常価格23,000円」という数字は、3-in-1セットの内訳表で内訳の定価として出てきます。購入ボタンの先で請求されるのは6,980円です。定価と実売が3倍以上離れている売り方なので、「23,000円が今だけ」という表示のほうを判断材料にしないほうがいいというのが編集部の見方です。見るべきは6,980円という額そのものが自分の使用頻度に見合うかどうかです。
年間5,980円と永久6,980円の差は1,000円しかありません。2年目も使う見込みがあるなら永久のほうが安く済みます。加えて年間プランは購入日から365日経過した日に自動的に契約が更新され、同額が請求されます。1年で終える前提なら停止手続きが必要です(公式は「自動購入停止のお知らせ」ページから解約できると案内しています)。
無料でどこまで確かめられるか——月10枚と、7日間の全機能パス
無料版はクレジットカード登録なしで使えます。公式の料金ページによると、制限は「画像を10枚処理可能」「1回につき10枚まで書き出し可能」、そして「書き出しには加工前後の比較図:一部分あり」。つまり出力画像の一部がビフォーアフターの比較表示になります。有料版との比較表では、各AIモデルの無料版欄に「透かしあり」、画像の一括書き出し(バッチ)は有料版のみと記載されています。
ここは公式サイト内で説明が揃っていません。英語版の操作ガイドは試用版の制限を「バッチ書き出しは無効」「単体書き出しには透かしが入る」と書いており、日本語の料金ページの「10枚」という数字が出てきません。実際に何枚出せるかはダウンロード後に自分で確認してください。
もう一つ、公式サイトにはアンケートに回答すると最新版の全機能を7日間・1台で使える「Premium Pass」のコードをメールで配るキャンペーンページがあります。透かしなし・バッチ処理ありと明記されているので、買う前に自分の素材と自分のPCで仕上がりと処理時間を測るなら、月10枚の無料版よりこちらのほうが判断材料になります。
向かない人——GPU、返金の中身、そしてレビューの読み方
公式が示している動作環境は次のとおりです。
| 環境 | 最低条件 |
|---|---|
| Windows | Windows 10(x64)1809以降/64bit対応のIntel・AMD CPU/メモリ8GB(推奨16GB以上)/GPUはDirectML(Radeon R9 390以降、Intel Haswell HD Graphics以降、GeForce GTX 960以降)またはTensorRT(GTX 1050以降) |
| Mac(Intel) | macOS Catalina 10.15以降/メモリ4GB/ディスク512GB |
| Mac(Apple Silicon) | macOS Big Sur 11以降/M1〜M5(Pro・Max・Ultraを含む)/メモリ8GB以上/ディスク512GB |
CPUだけでも動作します。ただし実測を公開しているレビューによると、GeForce RTX 4080の環境で1枚あたり8〜14秒、MacBook Air M4で6〜25秒。別のレビューは8倍拡大時にVRAMが5GBを超え、処理に約1分かかったとして、RTX x060クラス以上のGPUを推奨しています。GPUがないPCで大量のバッチ処理をする用途には向きません。初回起動時にAIモデルのダウンロード(数百MB)が入る点も報告されています。
もう一つ、購入前に理解しておくべきなのが返金の条件です。公式は「製品購入から30日間の返金保証」を掲げていますが、Digiartyの返金ポリシーは返金を「妥当な状況下でのみ」と定めており、対象外の例として「特に理由のない返金請求」(気に入らない、という理由)を明示しています。対象になるのは、誤購入や重複購入、24時間以内に登録コードが届かない、自動更新を止められなかった、修正できない不具合がある、といったケースです。「使ってみたが期待したほどではなかった」は返金理由になりません。だからこそ、先に無料版か7日間のパスで試す価値があります。
仕上がりへの期待値も現実的にしておいたほうがいいです。失われた情報そのものは戻りません。強度を最大にすると「のっぺりした」「絵画っぽい質感に寄る」ためスライダーは0.7〜0.8が良い、2パス処理では星空のような細かいディテールが消える、100%表示で見ると最も細かい部分は人工的に見える——といった指摘が、実際に試したレビューから出ています。
最後に読み方の話をひとつ。日本語で見つかるこの製品のレビューは、その多くが記事内でメーカーからのライセンス提供またはPRであることを明記しています(本記事が上で引用した実測値も、提供を受けたと明記している記事のものです)。開示があるだけ誠実ですが、不満点の記述が薄くなりやすい前提で読むべきで、この記事もアフィリエイトリンクを含みます。数字は公式の原文から取り、確認できなかったことは書いていません。