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Guide|自動化の入口

n8nのセルフホストは「無料」だが落ちる——止まる原因と、VPSに月いくら要るか

2026/08/28 更新・公式ドキュメント等の一次情報で検証

Conclusion

結論から

ソフトウェア自体の料金は0円です。ただし「無料」なのはCommunity editionで、ワークフローの共有・Git管理・SSO・環境分離は含まれません(有料プランの機能)。そして自分で運用すると、まず詰まるのはメモリです。n8nは実行中のデータをメモリに持つ設計で、公式ドキュメント自体が「メモリ不足の直し方」の項目を持っています。サーバー代は、XServer VPSの4GBプランが12ヶ月契約で月1,800円(税込)。2026年9月1日に月2,200円へ改定されるため、いま契約するかどうかで年間4,800円変わります。

向いてる人

  • 業務の定型作業をAPI連携で自動化したい
  • SaaSの従量課金ではなく固定費で回したい
  • Docker・SSH・OS更新を自分で引き受けられる

向かない人

  • ×サーバー代を浮かせたいだけ(Cloudの最安と大差がつかない)
  • ×OSのセキュリティ更新を自分でやりたくない
  • ×ワークフローをチームで共有したい(Communityに共有機能が無い)
  • ×日本語UIが前提(公式の対応言語一覧を確認できなかった)

4GBプラン・12ヶ月契約 月1,800円(税込)/2026年9月1日に月2,200円へ改定・2026/08/28公式確認

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「無料」の範囲——ライセンスと、Communityに入っていない10機能

n8nのライセンスはSustainable Use License(Version 1.0)です。原文が許可しているのは、自社の内部業務目的または非商用・個人利用での使用・複製・配布・派生物の作成まで。禁止されているのは、自社の内部業務を超える商用利用と、対価を取って配布すること、そしてライセンス表記や著作権表示を消すことです。自社の業務を自動化する用途なら条件を満たしますが、「n8nを使ったサービスを他社に売る」形は、この文面の外に出ます。

もう一つの線引きが、edition の差です。公式ドキュメントは「Community editionはn8nのほぼ全機能を含む」としたうえで、含まれない機能を名指しで列挙しています。Custom variables、Environments、External secrets、External storage for binary data、Log streaming、Multi-main mode、Projects、SSO(SAML・LDAP)、Sharing(ワークフローと認証情報の共有)、そしてVersion control using Gitの10個です。

ここは「ひとりで使うぶんには困らないが、人が増えた瞬間に効いてくる」場所です。ワークフローを同僚と共有できない、Gitでバージョン管理できない、検証用と本番用の環境を分けられない。これらが必要になった時点で、選択肢はBusinessプラン(667€/月・年払い)以上になります。無料と有料の間に中間の価格帯がありません。

なお、設定画面からメールアドレスを登録して無料のライセンスキーを取ると、Folders(ワークフローのフォルダ整理)、Debug in editor、Custom execution dataの3つが解放されます。費用はかからないので、セルフホストするなら最初にやっておくほうが得です。

止まる原因はほぼメモリ——公式が対処法のページを持っている

セルフホストしたn8nが不安定になる理由の中心はメモリです。これは推測ではなく、公式ドキュメントに「Fix memory issues」という項目があり、そこに出るエラーメッセージまで書かれています。「Execution stopped at this node (n8n may have run out of memory while executing it)」「Allocation failed - JavaScript heap out of memory」、あるいは「Problem running workflow」「Connection Lost」「503 Service Temporarily Unavailable」。

原因として公式が挙げているのは、JSONデータの量、バイナリデータのサイズ、ワークフロー内のノード数、Codeノード(旧Functionノード)のようにメモリを食うノード、手動実行(フロントエンド用にデータの複製が作られる)、そして複数のワークフローの同時実行です。対処は「メモリを増やす」か「消費を減らす」の二択で、後者の具体策としてデータを小さく分割する、Codeノードをできるだけ使わない、大量データを手動実行で流さない、Loop Over ItemsとExecute Workflowでサブワークフローに切り出す、が挙げられています。

実際の障害報告も公式フォーラムに残っています。2023年3月の投稿(v0.218.0・npm導入・PostgreSQL)では、通常500〜700MBのメモリ使用が突然2.4GBまで跳ね、ほぼ毎日クラッシュすると報告されています。2024年4月の投稿(v1.38.1・Docker・Ubuntu 22.04.4 LTS・SQLite)では、ワークフロー5本程度でメモリ切れによるクラッシュと再起動が起き、2vCPUに増設しても約24時間ごとにメモリが増え続けたと書かれています。同じスレッドで別の利用者が「1CPU以下ではコンテナのガベージコレクションが正しく働かない」と指摘しています。

性能の目安として、公式のベンチマークは単一インスタンスで最大220 executions/secという数字を出しています。ただしこれは4GB RAMのAWS c5a.large上で、Webhook TriggerとEdit Fieldsだけの最小ワークフローを回した結果です。ファイルを扱う実務のワークフローに当てはめる数字ではありません。編集部でVPSを契約して実測はしていないため、「何GBなら大丈夫」という自前の数字はここには書きません。

サーバー代の実費——4GBが実質の下限、9月1日に改定

XServer VPSの料金です。表示価格はすべて税込で、初期費用は無料。2026年9月1日(火)に料金改定が実施されます。公式の案内では、9月1日以降の契約更新分から改定後の料金が適用され、改定日までに更新すれば改定前の料金で契約期間を延長できます。

プラン・契約期間改定前(〜8/31)改定後(9/1〜)
4GB・12ヶ月1,800円2,200円
4GB・36ヶ月1,700円2,035円
2GB・12ヶ月1,170円1,540円
2GB・36ヶ月990円1,265円

月あたりの金額(税込・初期費用無料)。2GBプランは新規受付が一時停止中のため、いまから契約するなら4GBが下限です(2026年8月28日時点・公式トップページ確認)。

比較対象として、n8n Cloudの料金も置いておきます。Starterが20€/月(年払い・月2,500回のワークフロー実行)、Proが50€/月(同・1万回)、Businessが667€/月(同・4万回)。ここでいう1実行は「ワークフロー全体の1回の実行。ステップ数やデータ量に関係なく1実行と数える」と公式が定義しています。StarterとProはクレジットカード不要で無料トライアルを開始できます。

料金ページには月払いへの切り替えもありますが、HTMLから読み取れたのは年払い時の金額だけでした。ユーロ建てのため円換算は為替で変わります。ここで「合計は月◯◯円」と円で固定して書くことはできません。

向かない人——「安いから」でセルフホストを選ぶと逆転する

いちばん向かないのは、サーバー代を浮かせたいだけの人です。VPSの4GBは9月1日から月2,200円(税込)で、n8n Cloudの最安であるStarterは年払いで月20ユーロ。両者は同じ桁で、しかもCloud側には運用の手間がありません。セルフホストが効くのは、実行回数がCloudの上限(Starterは月2,500回)を超える場合、扱うデータを外に出せない場合、Cloudにない構成を組みたい場合です。金額だけでは逆転しません。

公式ドキュメントも同じ線を引いています。Cloudは「インストール不要」で必要な技術力は「None required」、セルフホストは「Requires setup (npm, Docker, or server)」「Required for installation and configuration」。Dockerのインストールページには、セルフホストに必要な知識としてサーバーとコンテナの構築・設定、リソース管理とスケーリング、サーバーとアプリのセキュリティ確保、n8nの設定の4つが挙げられています。このうちセキュリティ更新は、n8nを止めない限り毎月ついて回ります。

チームで使いたい人にも、無料のままでは向きません。前述のとおりCommunity editionにはSharing(ワークフローと認証情報の共有)もGitによるバージョン管理も含まれず、次の価格帯はBusinessの667€/月です。ひとりで使い始めて、あとから人を足す前提なら、この段差を先に知っておくほうがいい。

日本語UIが前提の人も、現時点では慎重に判断してください。n8nにはN8N_DEFAULT_LOCALEという環境変数があり、公式は「選んだロケールでUIを表示し、未翻訳の文字列は英語にフォールバックする」と説明しています。ただし対応言語の一覧が公式ドキュメントに無く、日本語が含まれるかを一次情報で確認できませんでした。有志が作った日本語化パッケージはGitHubにありますが、第三者の非公式ビルドです。ここは英語のまま使う前提で見積もるのが安全です。

最後に手順の話を少しだけ。インストール方法は公式に5種類(1行セットアップ、Docker Compose、npm、Docker、クラウドプロバイダ)あり、公式ドキュメントはDocker Composeを推奨しています。n8nはポート5678で動き、/home/node/.n8nにデータを置きます。ここには暗号化キーも入るため、ボリュームを永続化しないと再起動で認証情報を失います。データベースをPostgreSQLに外出ししても、このディレクトリは残す必要があります。

4GBプラン・12ヶ月契約 月1,800円(税込)/9月1日から2,200円・初期費用無料・2GBは新規受付停止中

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FAQ

よくある質問

n8nのセルフホストは本当に無料?
ソフトウェアのライセンス料は0円です。GitHubで公開されているCommunity editionを自分のサーバーに入れれば、n8nへの支払いは発生しません。ただしサーバー代は別にかかります。またCommunity editionには、ワークフローと認証情報の共有、Gitによるバージョン管理、環境分離、SSO、外部シークレット、ログストリーミングなどが含まれません(2026年8月28日時点・公式ドキュメント確認)。
会社の業務に使っていい?
ライセンスはSustainable Use License Version 1.0で、原文は自社の内部業務目的での使用・複製・配布・派生物の作成を許可しています。禁止されているのは、自社の内部業務を超える商用利用と、対価を取って配布することです。n8nを組み込んだサービスを他社に販売する形は許可の範囲外になるため、その場合は公式に確認してください。
メモリはどのくらい必要?
公式ドキュメントに最低要件として明示されたメモリの数値を見つけられませんでした。参考になるのはベンチマークの実行環境で、単一インスタンスの計測は4GB RAMのAWS c5a.largeで行われています(ワークフローはWebhook TriggerとEdit Fieldsのみの最小構成)。一方でフォーラムには、通常500〜700MBだったメモリ使用が2.4GBまで跳ねてクラッシュした報告(2023年3月)や、2vCPUでも約24時間ごとにメモリが増え続けた報告(2024年4月)があります。扱うデータ量で大きく変わるため、余裕を持たせる前提で選ぶことになります。
n8n CloudとVPS、どちらが安い?
金額だけならほぼ互角です。n8n CloudのStarterは年払いで月20ユーロ(月2,500回のワークフロー実行)。XServer VPSの4GBプランは12ヶ月契約で月1,800円(税込)、2026年9月1日以降は月2,200円です。セルフホストが有利になるのは、実行回数が多い場合、データを外部に置けない場合、Cloudにない構成が必要な場合で、単純な節約目的ではCloudの手間の少なさが上回ります。
メモリ2GBのVPSでも動く?
XServer VPSの2GBプランは現在、新規受付が一時停止されています(2026年8月28日時点・公式トップページ確認)。n8n側も最低要件を明示していないため「2GBで足りる」と断定はできません。公式のベンチマーク環境が4GBであること、フォーラムの障害報告がGB単位のメモリ増加を示していることを踏まえると、余裕のある構成から始めるほうが安全です。
日本語で使える?
N8N_DEFAULT_LOCALEという環境変数でUIの言語を指定でき、公式は「未翻訳の文字列は英語にフォールバックする」と説明しています。ただし対応言語の一覧が公式ドキュメントに記載されておらず、日本語が公式に含まれるかは確認できませんでした。有志による日本語化パッケージがGitHubで公開されていますが、公式の配布物ではありません。

掲載内容は2026年8月28日時点で公式サイト・公式ドキュメントを確認したものです。料金・仕様は変わることがあります。契約前に必ず公式サイトの最新情報をご確認ください。